嘘つきたちのための雑誌『(UNINTENDED.) LIARS(アンインテンデッド・ライアーズ)』の発行人である、きくちゆみこさんがそれとは別の位置付けで発行し続けているZINE。きくちさんは2010年よりおおよそ年に一度のペースでZINEをずっとつくっている。2023年には初の商業出版として『だめをだいじょぶにしていく日々だよ』をtwililightから発行。2025年に同発行元より『人といることの、すさまじさとすばらしさ』も刊行し、ますますファンを増やしている。
今号は、パートナーである成重松樹さんの個展「わたしたちはもうここにいる/And We Are Already Here」に合わせて制作された。2021年から2022年にかけてのパンデミック中に書かれた言葉たちをまとめ、自身が感じてきたあらゆる痛みについて打ち明ける。痛みのリストをつくって自身のこれまでと向き合い、痛みが怒りに変わりそうになった日のことや小学生のときの辛かった思い出、娘のオンちゃんが痛いと言った日のことなど、ものすごいスピードで過ぎ去っていく日常のひとコマひとコマをじっくりと見つめ直し、丁寧に掬い上げ、文章としてしたためていく。きくちさんは書き表すことで、自身をほぐしていっているのだと思う。
名前のない痛みを感じた経験は誰にでもあるだろう。自分の痛みと必ずしも向き合う必要はないけれど、小さな痛みを見逃さないでほしい。何かに悩んでいそうな人へのささやかな言葉の贈りものとしても強くおすすめしたい。
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