祝・10号。2015年5月の創刊から7年を迎えた節目となる今号の特集は、未来。創刊から一貫してサッカーの文化的・社会的な側面を取り上げてきたSHUKYUが、これからのサッカーのあり方について考える。
貧困や社会的格差を理由に諦めている子どもたちが安心してサッカーを続けられるように支援する「1% Football Club」、ロンドンを拠点に若者への教育支援を行う「Football Beyond Borders」、アスリートから見たスポーツとジェンダーの未来についての下山田志帆(9号にも登場)と横山久美へのインタビュー、「繰り返される虐待」と題した佐久間裕美子さん(Sakumag Zineもぜひチェックを)の寄稿、かつての日本代表監督として幅広い世代に知られる岡田武史へ聞く「サッカーと言葉」についての話、近代スポーツと賭博、福島ユナイテッドFC農業部から見えるサッカークラブのあり方、ネルソン松原とサッカーの起源、世界各地のフットボールコミュニティに聞いたこれからのサッカーについて、などこれまでで一番のボリュームとなった。
「10年前サッカーを諦めた私が見た、10年後の女子サッカーを考える」と題したエッセイを寄稿したベイン理紗は、2020年に偶然本誌に出逢ったことで10年前に辞めてしまったサッカーと再び巡り合え、女子ジュニアユースチームのボラミーゴ新潟へ取材に行く。これはSHUKYUが“雑誌”という形態だからこそ実現できた奇跡だろう。創刊以来初めて記された「AFTERWORD」には大神さんのサッカーへの変わらない強い思いが込められ、思わず目頭が熱くなってしまった。
サッカーやスポーツに興味がない人にこそ本誌を手に取ってほしい。知らない世界を知る楽しさを、きっと感じることができると思うから。
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※WWD JAPAN.comでの連載第4回目で紹介しました