見えないものと戦っている人たちの声に耳を傾けたことはあるか?――もし過去にこの問いを投げかけられていたら、私の答えはNOだったと思う。この雑誌に出会うまでは。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、奇しくも医療分野に注目が集まった2020年。その前年にイギリスで産声を上げた『SICK』は、自身も慢性疾患を抱える、Olivia Springが発行人を務める雑誌であり、居場所でもある。Oliviaは、目に見えない障害を持つ慢性疾患患者として“普通に”働くことの難しさに長年悩んでいたという。自分のプロジェクトで、まずは自分が働きたいと思える環境をつくりたいとの思いから本誌を創刊させた。
彼女と同じような疾患や障害を持つ人によるエッセイや詩、イラストレーションが淡いピンクの紙に印刷される。たった35pというミニマムさだが、読み手の想像を広げる余白を残す絶妙な編集だと思う。
障害がある・ないに関わらず、互いが互いを理解し、認め合える世の中になることを願わずにはいられない。その一歩として、本誌の果たす役割は大きいはずだ。
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※本誌3号目より国内ディストリビューションを担当しています。書店に限らず取扱店を募集していますので、ご興味をお持ちくださった方はお気軽にCONTACTページよりお問い合わせください