深夜0時過ぎの衝動が突き動かした前号の始まりは暗闇から幕を開けたのに対し、今号は冒頭にある飯塚さんが感じている“単調な景色”を、最後まで白い紙の色で表現したように思える。美術家の飯塚純さん、写真家の龍崎俊さんと鈴木理恵さん夫婦の3名が創刊させたZINEの第二弾、テーマは『ジュラシック・パーク』だ。
創刊号の最後に登場した蜂の話をうまく繋げ、0時ちょうどから会話が始まりだらだらと語るスタイルは変わらないが、途中で本誌の制作過程について少し明かされる。実はデザインを担当している安達さんと川田さんが会話中の注釈を勝手に(もちろんいい意味で)決め、掲載しているのだ。3名でつくりあげている世界観だとばかり思っていたが、その影で重要な役割を果たしていたのはデザイナーだった。監督と俳優だけで成り立っているのではない映画がそうであるように、縁の下の力持ちがいることを実感させられたエピソードだ。
1度目の締めで触れられる通り、雑談を閉じ込めた本誌は何の世界の開示にもならないかもしれない。ただ、即効性はなくても忘れかけた頃に世界の何かの断片と繋がる可能性がある。5名によるこの物語が教えてくれるのは、そういう面白さなのだと私は思う。
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