昨年に続き実施した名古屋のON READING GALLERYでの滞在制作で、来場者とともに製本しつくり上げた別冊。「ほんとの本の話をしよう」と題し、出版レーベル、本屋、グラフィックデザイナー、アートブックフェアの運営者、リソグラフスタジオなど、本に携わる24名の生の声を聞き、記している。
編集発行人の加藤直徳(なおのり)さんは、「つくる人、つくりたい人、販売する人、その人たちに会って話して受け止めるなかで、確かな希望の声を聞いたのです」と冒頭で語る一方、「編集、デザイン、印刷、製本、販売に至る過程で、多くの困難が待ち受けていることも事実」だと強調する。
どのように本と向き合ってきたのか。どうして本なのか。どんな苦しみがあり、喜びがあるのか。ここには、他では決して読むことのできない24名の生き様が確かに刻まれている。
私は今号で初めて5名の取材音声をいただき、執筆させてもらった。ライターとして独立してから、自分が心から好きだと思える雑誌での執筆をずっと目標としてきた。だから今号には特別な思い入れがある。
本シリーズは、第二弾の制作も始まっているという。これから誰の物語がここに刻まれるのか、じっくり見届けていきたい。そして、願う。本誌をきっかけに新たなつくり手が生まれ、歴史が紡がれていくことを。
※以下、掲載者(敬称略)※
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