まるで額縁のように写真を引き立たせるデザインの表紙がアイデンティティの一つである『UNION』。2019年10月発売の15号目以来となる待望の続編がついに届いた。
先の見えない日々で新しいファッションストーリーを紡ぐことに苦戦し悩み抜いた末、今号はつくり手たちが敬慕する10名のフォトグラファーによるパーソナルワークを編集するという初めての試みとなった。いずれも未発表の作品や今回のために撮り下ろしたもので構成されている。特筆すべきは、存命でないVivian Maierも入っていることだろう。「素晴らしいものは時代を超えて永遠に輝く」と冒頭にある通り、現代の作品だけでなく、過去のそれも並列されるのが『UNION』の大きな特徴だ。
16号目にして初めて記された「AFTERWORD」は胸に迫るものがある。重ねてきた歴史の上に今の『UNION』が確かに存在していることを強く感じた。『UNION』は写真集ではないか、と思う読者もいるかもしれない。だが、ISSNを表記している通り『UNION』はあくまでも“雑誌”だ。それは雑誌として編み続けることの意味を読み手に問いかけていると同時に、つくり手自身も自問自答しているからではないだろうか。
装丁のクロス張りの素材もアップデートされ、印刷される紙も変わった。主観だが“第4章”の幕開けといっていいだろう。これからの『UNION』にも大いに期待したいし、いつまでも手元に置いておきたいと改めて思う。
※以下今号の参加フォトグラファー※
Charlotte Lapalus、Eddie Wrey、Jack Davison、Julia Hetta、Lina Scheynius、Mark Steinmetz、Maude Arsenault、Olivier Kervern、Tom Johnson、Vivian Maier
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