No.13よりロゴを含むアートディレクションが一新された『UNION』。毎号楽しみにしているクロス張りの装丁の色は、深みのあるカーキだ。まるで額縁のように写真を引き立たせるデザインの表紙、各コンテンツを「SCEAN」と表現する切り口が『UNION』を『UNION』たらしめる所以だろう。編集長の一人でもあり、本誌のアートディレクターを務めるのは、スタイリストのHiroyuki Kuboさん。
冒頭のSCEAN00で述べられる「時代を超えた美しさは、私たちの本質であり永遠の哲学」を表すかのように、本誌には現代のファッションフォトだけでなく、過去のそれも並列される。今号はマグナム・フォトの一員としても知られるSusan Meiselasが1970年代に撮影した写真と、アイルランドの写真家・Tom Woodが99年までの20年間に撮影した『Women’s Market』から一部が紹介されている。一方“今”のファッションストーリーは、服を売るための商業誌とは一線を画す、服やアクセサリーを纏うことで生まれる世界観の提案だ。単にトレンドを追うのではなく、自分にとって揺るがない美しいものを見極める眼を『UNION』を通して養えるだろう。
既存の商業ファッション誌にはもう目を通していない、という人にこそ手にとってほしい。
※以下今号の主なコントリビューター※
Susan Meiselas、Seishi Shirakawa、Ola Rindal、Reiko Toyama、Naoto Kobayashi、Tom Wood、Olivier Kervern、Takashi Homma、Crista Leonard、Eamonn Doyle、Julia Champeau、Kiyotaka Hatanaka、Vincent Ferrane
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