インディペンデントジャーナリズムと美しいイラストレーションを紹介するというコンセプトの本誌が拘るのが、リソグラフプリントだ。リソグラフの魅力は、“完璧”ではないところだと思う。所々かすれがあり、いい意味で少し“抜けている”。そこにあたたかみを感じるのは私だけではない気がする。
今号のテーマは、ANGER。一見すると負の感情にみえる怒りというパワーを、詩や演劇、イラスト、音楽など様々な表現活動に変換させた人たちを取り上げる。「あなたの怒りは、次のプロジェクトの燃料になるに違いないと思う」と言い切り、「stay angry」と肯定するエディターズノートの始まりもいい。「PISSED OFF ONLINE(ネットでムカついた)」と題した、ソーシャルメディアを利用したポジティブな変化の事例を考察する記事では#MeTooムーブメントについても触れられており、興味深い。
ジャーナリズムとゆるさのあるイラストが隣り合わせになっているという、コントラストの強い誌面構成がユニークだ。
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※『GINZA』でのウェブ連載vol.5で紹介しました