3号目となるテーマは、デトロイトと私。財政破綻を経験したアメリカの都市、デトロイトの歴史を掘り下げながら、それ以降の街の再生に尽力したアクティビストや市民に話を聞き真実を紐解いていく。佐久間さんが初めてデトロイトに関する取材を開始した2013年(奇しくも市が財政破綻した年と同じだ)を軸に、A面とB面を“before”と“after”とした。
移民問題、人種差別、動かない行政。政治とは誰のためのものなのだろうか。暴動はどうして起こるのか。事の裏側を丹念に掘り下げ、綴られる佐久間さんの文章にどんどん引き込まれていく。何度も登場する「Horrible things have happened here.」というシンプルなフレーズが頭の中でリフレインする。
「人の力なしに街を再生することはできない」と語る登場人物の言葉も心に残る。「まだまだ見届けないといけないことはたくさんある」と締めくくる佐久間さんに、デトロイトに関する続編の執筆を期待している。
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※『GINZA』でのウェブ連載vol.4で紹介しました