“喜怒哀楽“という日本語があるが、それだけにとどまらない細やかな感情に毎号寄り添うカナダ発の雑誌。ソーシャルメディアが渦巻く世の中で、オンラインに変わる何かを創りたかったという創設者のSarahとHannahの思いから生まれた。
10号目の特集は、Loss(喪失感)。詩やエッセイ、写真、ドローイングなどで構成され、心の奥底にある空虚感にどう立ち向かうのかを問う。ロンドンを拠点とするアーティスト、The Fandangoe Kidのインタビューや日本の“侘び寂び”について触れるエッセイも興味深い。寄稿は、あくまでも自身の経験に基づくものに限定。「他の人へアドバイスをする場でないということが非常に重要だと思う」と2人は言うが、その真意とは、複雑に抱く感情を他者に共有することでまず自分自身が受け止めるということだと思う。
毎号、ラッピングペーパーのようにコンテンツを優しく包む役割を果たす表紙の色と連動したイラストが最初と最後にあることや、あたたかみを感じるリソグラフの印刷もグッド。
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※『GINZA』でのウェブ連載vol.11で紹介しました
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