「“Bizarre”な世界に深く身を投じる第一人者が、生きた言葉でその魅力について語る”読む図鑑”」をテーマに掲げたシリーズの第4弾は、食用植物にフォーカス。
監修は、家を持たず(!)「シードハンター」という肩書きで一年中世界を飛び回っているというジョセフ・シムコックス。膨大な文献の中から、かつて人間によって食用されていたにも関わらず忘れ去られてしまった植物や限られたエリアでしか食べられていない植物の情報を探し出し、フィールドワークを続ける、まさに植物民俗学者。そんな彼による記録帳の一部ともいえるのが本書である。
サブタイトルに「-Unknown Delicacies-」(未知の美味しさ)と付けるセンスも最高だ。本文には写真とともに植物のスペックが表記され、調理法や味についても言及。巻末のインタビューページでは、住居を持たない暮らしぶりについてや現在の民族植物学的研究へ物申したり、命の危険を冒してまで探求を続けるその原動力とは何かを語る。私は彼とは対象は違うものの、非常にシンパシーを感じた。ジョセフのチームメイトとして旅に同行した小野地さんのクレイジーな旅の記録も必読。
きっと読み終える頃には、あなたもすっかりジョセフの虜になっているに違いない。ようこそ、知られざる世界へ。
※『GINZA』でのウェブ連載vol.10で紹介しました