VOSTOK #2

1,650円 (税込)
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  • 創刊年
  • 2019年
  • サイズ
  • 200mm×270mm
  • 発行部数
  • -
  • 発行年
  • 2019年
  • Japan
  • 出版社
  • CHIASMA
  • 仕様
  • ソフトカバー/324p


 創刊号に大きな反響をいただいた(今もなお反響が絶えない)『VOSTOK』の待望となる2号目が届いた。かつて『HUgE』と『Them magazine 』で右近亨さんの下、編集者としてのキャリアを積んだ大城壮平さんが創刊させた雑誌だ。
 特集テーマは、暴力。目に見える“暴力”、見えない“暴力”、なかったことにされている“暴力”…その言葉から浮かび上がる形は様々だ。ファッションストーリーを軸に、小説やインタビュー、論考などを交え一冊にまとめあげる。冒頭、写真家の横田大輔がホテルにカメラを設置し、自身を被写体とする作品を展開する(題して、monitoring)ことから始まり、遠い国での出来事、過去の偉人、写真を撮ることでリアクションを続けるフォトグラファー、我々国民を騙す某政治家など、フィクションのような現実も現実のようなフィクションも並列される。創刊号より60ページボリュームアップされ、カルチャーページの読み応えがぐっと増した。特に私の印象に残ったのは、現代アメリカ小説の研究と翻訳を主として活動する藤井光による「Who Cares? 表現と力、表現という力、表現という名の生」。また、2号目にしてアートディレクターが変更。『VOSTOK』のロゴまで生まれ変わった。
 高橋恭司、野田祐一郎、守本勝英らによるファッションフォト、Christopher Anderson、Matthew Connors、Rafal Milachの作品とインタビュー、ミヤギフトシ、村上由鶴、IACKの河野幸人、田口悟史、松村正人による“暴力”をテーマにした論考、藤井光が翻訳するナナ・クワミ・アジェイ=ブレニヤーのデビュー短編小説「フライデー・ブラック」、Dashwood Booksの須々田美和によるニューヨーク発のフォトブックレビューに続き、「VOSTOK DISK GUIDE」なる新連載も始まった。初回はLA在住のMILOがお気に入りの6枚を紹介。Luke Meierのインタビューも必見だ。表紙の被写体であるアーティストの安野谷昌穂の作品も掲載。
 雑誌づくりに本気で向き合う大城さんの熱量がひしひしと伝わってくる。“暴力”とは何か。答えを導くために読むのではなく、たどり着けない答えを思考するために本誌をめくってみてほしい。


※他の号はこちらよりご覧ください
※『GINZA』でのウェブ連載vol.6で紹介しました
※『VOSTOK』のディストリビューションをMagazine isn't dead.が担当しています。ご興味を持ってくださった方はお気軽にお問い合わせください。追って取引条件に関して連絡差し上げます。