『GINZA』本誌での連載や2018年10月に発売した初の翻訳書『プッシー・ライオットの革命』でもおなじみのaggiiiiiiiさんによるZINE。5年振りの発行となる今号を楽しみに待っていた読者も多いだろう。
イントロダクションのはじめに綴られるのは、aggiiiiiiiさん自身の迷い。「1冊も売れなくてもかまわなくて、ただ自分がつくりたいからつくるというようなもの」という言葉には震えた。秘められたものがあるからこそ放てる、強いパワーがあると思う。混じり気のない、純粋なつくりたいという思い。これこそがZINEの面白さだ。
テーマである手話のきっかけとなった「SOUND IS A GHOST」は、アーティストのクリスティン・スン・キムによる言葉。クリスティンを知ったときのことや彼女の表現の魅力、サウンドアートへ向かう経緯について3ページ半にわたり熱く綴られる。その他、手話が登場する映画についてや韓国のアーティスト、イ・ランによる『イムジン河』のカバー曲、アメリカ手話の指文字表、舞台『カーネーション』の手話シーン、手話でのスラングも。
読み終えて、手話を美しい言語だと表現するaggiiiiiiiさんに拍手を送りたいと思った。
内に秘めるパーソナルな思いをストレートに綴る『KAZAK』。そして製本も全てaggiiiiiiiさん自身が行なっている手製本。やっぱりこれが私が思うZINEらしいZINE。
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