“どこまでotomeで貫き通せるか”というユニークなコンセプトを掲げるユニット、otome journalはグラフィックデザイナーの小林圭さんとテキスタイルデザイナーの井口愛弓さんにより2006年に発足した。ロンドンでの留学時代に出会った2人が始めた交換日記がきっかけだ。実はその日記は、ただ文章を送り合うものではなく、自分でコラージュした作品に文を載せて交換し合うというものだった。2017年までのその日記や作品の一部をコピーしパッキングしたものが『OJ PACKED ZINE』である。
その数あるアーカイブの中の一部をランダムにパッキングしているゆえ、同じものがひとつもない。選ぶ楽しさ、何が届くのだろうというワクワク感と2人の親密な世界をのぞき見できるようなドキドキ感もある。そこに紙やオブジェ、時にテキスタイルも混じることでいいリズムを奏で、なぜだかいとおしささえ感じてしまう。それが“otome”心なのかもしれない。
余談だが、2人はこのZINEを刊行後にそれぞれ結婚。次号は“oyome journal”として発行してくれる何かを、私は待ち続けている。