はなから余談で大変恐縮だが、『UNION』の創刊日は私の誕生日と同じだ。憧れのスタイリスト、Hiroyuki Kuboさんと百々千晴さんが雑誌を創刊すると聞いて書店へ駆け込んだ、当時の心弾ませた記憶が昨日のように思いだされる。
創刊時ソフトカバーだったものがハードカバーに進化したりと、常にアップデートを繰り返しつつもそのこだわりは尋常ではない(今号よりロゴや紙、製本工場などを含め全てが一新された)。ハードカバーの色味は、毎号印刷所と納得がいくまで話し合いを重ね独自のものをつくりだす。そう、驚きなのがスタイリストであるKuboさんがアートディレクターでもあること。グラフィックデザイナーが嫉妬してしまうくらいのデザインクオリティの高さ。誌面全体に反映される細部への美意識が、読み手である私たちが惹かれる大きな理由だろう。タイムレスな美を追求する本誌は、世界に誇るクリエイションだ。
『UNION』によって知り、好きになった写真家が私には多くいる。普遍的な美しさを問いかけてくれる『UNION』と、つくりあげるチームを私は尊敬してやまない。
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