文章に残したい、という強い衝動のまま綴られる言葉たち。赤いインクで印刷されるその文字を追うと、佐久間さんが体験したバンコクでの強烈な出来事を追体験するような、そんな感覚に襲われる。勢いで一本書き終えると、女性の声が足りないということに気が付き再びバンコクへと発つ。本誌がside Aとside Bに分かれているのはそのためだ。“自分の旅にはB面が必要だと思った”と語る佐久間さんのそのエネルギーは一体どこから溢れてくるのだろう。それは…本誌を読んで感じてほしい。
カオスで自由なバンコクのナイトカルチャーと青いインクで紡がれる、自分の女性像を追求しながら生きる現地の女性たちの言葉。偏りのある紀行文が教えてくれるのは、今この瞬間をひたむきに生きることの愉しさだと思う。
デザインは、長嶋りかこさん。
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※『GINZA』でのウェブ連載vol.4で紹介しました