1976年創刊のカルチャー誌である本誌は2009年に一度休刊したものの、2015年4月に復刊。現在ディレクターを務める川田洋平さんは、東京23区のハイパーローカルガイドと謳う『To magazine』の編集長を務めていたことでも知られる気鋭の若手編集者だ。そんな彼が舵を切った411号からの特徴は、よりルポルタージュ的手法が強く、アンダーグラウンドで巻き起こっているカルチャーシーンを表面化させていることだと思う。
いまアジアから生まれる音楽と題した今号は、台湾や韓国をはじめフィリピンやベトナム、インドネシア、インドまで幅広い都市を訪ねる。中でも興味深いのが独自の進化を遂げているという、中国だろう。ページをめくると所々に挟み込まれているプレイリストも興味深い。坂脇慶さんによるグラフィックデザインも素晴らしい。